計算資源の消費を、データ側から減らせるのではないか。その見立てを試論と極小ベンチマークにまとめ、検証可能な形で公開しているリポジトリです。
| パス | 内容 |
|---|---|
paper/return-on-token.md |
試論本体(ディスカッション・ペーパー、公開固定版) |
paper/return-on-token.en.md |
英語版(下訳)。日本語版と食い違う場合は日本語版が正 |
benchmark/ |
仮説を検証する極小ベンチマークと全測定記録 |
submission/dap/ |
学術誌投稿用の派生版(下記) |
推論モデルの実行ログを読める範囲で読むと、思考の一部が、データ側に書かれていない前提(列名の意味、数値の単位、形式の不整合)に向かっている様子が観察できます。消費のどれだけがデータの記述の有無と共に動くのかは、実測すべき問いです。
そこで「投じたトークン総量に対してどれだけの成果が得られたか」を見る指標として Return on Token(RoT) を置き、データの自己記述性と共にこの指標が変わるという仮説を検証します。分母には探索で捨てられた再帰性トークンも算入します——この試論の仮説の下では、捨てられた探索の大きさは、データ側が供給しなかった文脈の重さを映すと考えられるためです。
この関係が実データでも成り立つなら(移転は未測定です)、オープンデータの評価に「利用時の推論消費をどれだけ減らすか」という候補軸が加わり得ます。
v0.2.0時点の試論と測定成果を Frozen Public Release として固定しています。
- タグ:
v0.2.0/コミット:d483d6b726fe83fe47cef471270e3982224402bc - Version DOI(v0.2.0そのもの): 10.5281/zenodo.22136254
- Concept DOI(全版を束ね、常に最新版を指す): 10.5281/zenodo.22090097
固定版の本文は表記「ROT」のまま変更しません。本READMEと投稿派生版では「RoT」表記を用います。
数値は系列内でのみ比較し、系列間で統合していません。詳細と全記録は試論第5節と benchmark/ を参照してください。
- リトライ方式・参照経路(基準比較):gpt-4o-mini、gpt-4.1-mini、gpt-5.4、Olmo-3-7B-Thinkの4システムでは、主課題は必要なコード意味が文書内にないl0–l5で一度も解かれず、l6では初回に解かれました。l5→l6の総消費の段差は14.5〜30.2倍でした。追加のthinking-toggleと小型モデルによる確認は下記のrobustness結果として別に扱います。
- 5反復ローカル経路(別機材・別経路。Olmo、Qwen 9B thinking有効/無効の3システム):境界は同位置。段差22〜33倍に対し、水準内の振れは最大2.7倍でした(記述統計としての比較です)。
- 約1/4のパラメータ数・1反復:段差8.5倍。l6・l7・l9は解けた一方、l8(レコード内フラグ)は両課題とも10試行で失敗しました。この構成は思考挙動も異なり反復も1回のため、容量単独には帰属できません。
- 一発分布の計器(別実装。リトライ系列と数値統合しません):対象となる2つの意味が明示されたt=2の5セルは、pilot・confirmatory反復1・反復2の3走行すべてでcorrect-peak 1.00、abstention 0.00でした。一方、t≤1のセル値は独立反復間で安定せず、事前に凍結したfitの前提条件は4つのrepeat×sectionすべてで未達だったため、fitは実行されず「no fit established」を正式な結果として記録しています。
- 思考文の観測:思考が読めるローカル1系統では、失敗試行の16〜19%(分類規則により1〜23%)がデータ側の欠落への言及・当て推量に分類されました。観測と解釈であり、消費の因果分解ではありません。
- 要件の逆算:失敗試行の思考から候補要件を導くrule-basedの手続きをトイ課題上で実行できました(実運用ログでは未検証)。
実データへの移転は未測定です。 測定の経緯と訂正の履歴(撤回記録を含む)は paper/CHANGELOG.md にあります。
submission/dap/ の英語原稿を、査読誌へ投稿しています(2026-09-07投稿・査読中)。v0.2.0から派生したもので、固定版のファイルは変更しません。投稿版の由来と変換手順は paper/CHANGELOG.md の2026-09-07の項を参照してください。
これは個人として進めている試論であり、いかなる組織の見解を示すものでもありません。運営も個人の時間で行っているため、Issue や Pull Request への対応は不定期になります。その点をご了承のうえでお寄せいただければ幸いです。
本試論・測定(v0.2.0)を引用する場合はVersion DOIを、常に最新版を指したい場合はConcept DOIをお使いください。
Yamada, Masayuki (2026). RoT — Return on Token: A Discussion Paper on Reducing Compute Waste from the Data Side (v0.2.0). Zenodo. https://doi.org/10.5281/zenodo.22136254
Yamada, Masayuki (2026). RoT — Return on Token: A Discussion Paper on Reducing Compute Waste from the Data Side. Zenodo. https://doi.org/10.5281/zenodo.22090097
概念の精緻化、計測手法への批判、タスクセットの拡充、実データの提供、共同での実証——いずれも歓迎します。Issue または Pull Request でお寄せください。
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